「マトリックス」シリーズ連続鑑賞2作品目。ここからは初鑑賞になる。
1作目がキアヌ・リーブス演じるネオの覚醒を描いた、言わば前日譚であり、ようやくここから物語本編に入る感じで、世界観やアクション・シーンは確実にパワーアップしている。ちなみに本シリーズでスタント・コーディネイターを担当していたのは、後に「ジョン・ウィック」の監督として知られる事になるチャド・スタエルスキである。現実では絶対にありえないような人の動きに拘った映像は、仮想空間を舞台にしたマトリックスの世界観にぴったりで、中盤の1対100(?)の激闘やカーチェイスは、格好良いを通り越して笑いが込み上げてくるレベルだ。
一方で、より複雑になった世界観を表現しきれていない脚本の弱さも目立つ。そもそも監督のウォシャウスキー姉妹が作る長編も「マトリックス」でまだ2作目という事で、結果的に3部作となるシリーズを上手くコントロール出来ていない印象だ。実は前作からそうだったのだが、主人公であるネオの台詞が少ない。代わりに語り部となっているのが、前作ではモーフィアス、今作では預言者やアーキテクトという事になるのだが、その台詞も妙に説明的で、アクション映画のテンポをぶち壊している。
小数点以下を設定できるFilmarksの仕様もあって、割と優しいスコアも多いが、前作が大好きであった僕としては、それに近い数字を本作に付けるのに気が引ける。よってこのスコア。
