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たべっ子どうぶつ THE MOVIEのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

たべっ子どうぶつ THE MOVIE(2025年製作の映画)
3.5
【和製イルミネーション映画】
動画版▽
https://www.youtube.com/watch?v=IJDwg9b8TL0&t=209s

あらゆるものは映画化されるわけで、潜水艦ゲームはもちろん、どうぶつの森やシルバニアファミリーも映画化されているのだからお菓子の「たべっ子どうぶつ」が映画化されるのは何ら不思議ではない。だが、それにしたって、この気合いの入り方はなんだ?と思うほどに創作の情熱が滾りに滾ったキメラであった。

アイドルとして活躍する「たべっ子どうぶつ」のライブから始まる。日本ではヴァーチャルライブコンテンツが盛んにつくられていることもあり、躍動感ある会場の盛り上がり演出となっているのだが、ここで思わぬ発見がある。モブの人間造形がピクサーやイルミネーションに近いのだ。本格的に海外3Dアニメをやろうとしているのだ。

そのこだわりは、島の中心に聳え立つ城からも感じられる。ゴシック建築なのだ。一見すると、島なのにゴシック建築?とは思うのだが、都市化し密集した空間に対し憩いの場として高さを持ったゴシック建築が建てられ、それは宗教的統治の目的も担っていたことを考えると妥当といえる。そして「たべっ子どうぶつ」に登場するゴシック建築は緻密にリブヴォールトやフライングバットレスを配置し、一切手を抜くことなく空間を作り上げているのだ。ネタ映画として舐めた作りにしない点で好感が持てる。

映画は確かにイルミネーション映画クオリティなので、終盤の展開には粗はあるし、なんならその状態では「たべっ子どうぶつ」死んだんじゃないの?と思う一方で、ギミックを組み合わせることにより絶望的な展開を乗り越えていく爽快さはお見事といったものがある。

お菓子アベンジャーズならぬ「おかしーず」の世界を広げるには、ぽたぽた焼のばあちゃんが参加すると熱いよなと思ったのであった。
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