停滞

殺しの停滞のレビュー・感想・評価

殺し(1962年製作の映画)
3.9
いやぁ、憎い、憎いほどにかっこいい21歳初監督作品だねぇ。なんて洗練されたショットなんだ。。。そして多くを語らない。。。羅生門と似ているけどそれとはまた違った趣が詰まっている。

演出で無理に惹きつけようとしないでカメラワークだったり画面の作り方、カットバックやジャンプカットなどどこか映画的な要素が散りばめられた作品ではないかと思う。考えてみたら容疑者全員がどうしようもなさに溢れていると同時にどこか生き生きとしていて、そこもこの映画の魅力だと思う。

印象的なのは最初のアベックのカバンを泥棒するシーンで、盗る瞬間は撮らず、盗ろうとするところと盗って逃げるカットをつなげるあたりがすごい。あと、娼婦のシーンが全ての容疑者の回想に挿入される。のびのびとしたロケや音楽、踊る女、ねむりこける兵隊、ラジオを盗めない奴、どことなく愛らしい、これをハリウッド的に仕立てたのがパルプフィクション?ってのは半分勝手な感想ですね〜
停滞

停滞