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神風特攻隊のmhのレビュー・感想・評価

神風特攻隊(1954年製作の映画)
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日本に主権が戻って戦争映画の制作が解禁されてから間もなくの作品で、おそらくは神風特攻隊を扱った初の映画なんだけど、Wikipediaにはこの作品のタイトルが存在しない。映画.comには「壮烈神風特攻隊」として登録されてる。
内容は、神風特攻隊まわりの群像劇で、海軍予備学生たちの青春をいくつも重ねて見せてくれる。ただし、その内容はテンプレ気味。
戦争賛美と反戦、どっちにも受け取れるような作りになってるのが特徴。そのあたりのスタンスをはっきりしてほしいのを、みんなで軍歌を歌ってうやむやにしている。
このあたりが実は戦争の本質ともいえる部分で、賢い予備学生たちはこんな戦争うまくいかないのがわかってるのに、声を合わせて肩を揺らせて深く考えないようにしているんだと思われる。
そのあたりの描写がとてもうまい。
戦地にいったらもどってこれないから、性行為を経験させようと料亭でお母さんが席を外すくだりがよかった。その後、女を断って、お母さんだけの思い出で散華すると結んでいた。
よくできているとはいいがたいけど、けっこう好きな戦争映画でした。
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