回想シーンでご飯3杯いける

サンセット・サンライズの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

サンセット・サンライズ(2025年製作の映画)
3.0
コロナ禍の宮城県が舞台。リモートワークを機に東京の⼤企業に勤める青年(菅⽥将暉)が移住してくる話。釣り三昧と海産物グルメを満喫する生活の中、家主である女性と意外な交流が始まる。

原作は未読だが、作者から察するに社会的な背景を踏まえたシリアスな作風と推測される。監督の岸善幸も同様に辛口の社会派作品や青春映画を撮る人である。菅田将暉は岸善幸が他の作品でも起用している事から今回の抜擢と思われる。

ちょっと気になってしまうのは、いかにも宮藤官九郎と言った感じの、単発的なコメディパートの散りばめ方だ。特に居酒屋の大将と常連客はちょっと煩過ぎ。テレビドラマならともかく、単発の劇場作品の中では無駄に登場シーンが多く、結果的に本編と違う部分で尺が伸びてしまった感じ。

過疎が進む地方に於ける移住ビジネスを背景にした人と人の繋がりという題材が秀逸なだけに、脚本家の癖が悪目立ちしているのは頂けない。