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モスキート・コーストのKのレビュー・感想・評価

モスキート・コースト(1986年製作の映画)
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過剰な思想は人々を洗脳し、自らを滅ぼすのだろうか。
アリーの言動や行動は一種の宗教に思えたし、脅威だった。あまりの宗教感にこれはアメリカを風刺した作品なのか?と思ったが、実際、制作側のアメリカ社会への思想を風刺しているらしい。

子は親に付き従うしかなく、それが世界の全てで、教育は悪く言えば一種の洗脳であるという見方をすると、この映画の父と子の関係は、最近観た映画だと万引き家族と重なるものがあった。

"家族"って、子供が最初に知る理不尽な"社会"のひとつなんだよなぁ、と俯瞰で見てまた思う。親は神ではないし、また未完の未熟な人間であると知る少年時代に、誰しも重ねて見えるものがあるように思う。
映像こそ懐かしさを覚えるものの、古さを思わせない作品だったように感じるのは、そのせいかもしれない。

リヴァー・フェニックスが大変イケメンだという前情報のみで鑑賞したので余計だが、観終わった今も、未だ胸がざわついている。想像以上に壮絶で複雑で人を選ぶ内容ではあるが、面白かった。私は好き。
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