国内外で高い評価を得ている佐藤真の作品。写真家牛腸茂雄の半生と彼の写真集に焦点を当てたドキュメンタリー映画、語りは西島秀俊。
生と死を超越し、死者の声を見るものに届かせる素晴らしい作品でした。今作は半分がラジュテや最後にして最初の人類と同じフォトロマン形式で進み、残りの半分は牛腸茂雄と佐藤真が撮った映像が本編を占めた作りになっていますが、西島秀俊の語りも相まって、神秘的かつ独特なトーンのドキュメンタリーに仕上がっています。牛腸茂雄については今作を見て初めて知った写真家だったけど、たった50分の映画でここまで彼について興味が湧いたのは今作の持つ特別な力のおかげとしか言いようがないです。特に牛腸茂雄自身の音声が挿入される場面は強く心に残りました。所々、似たような音声を繰り返して使っているのが若干気になりましたが、それでも素晴らしい作品であることに変わりはありません。ドキュメンタリーが苦手でも、今作は特殊な形をした映画だし、多くの人に見てもらいたい作品です。フォロワーの皆様に強くオススメしたい一本！！
