Melko

ファーゴのMelkoのレビュー・感想・評価

ファーゴ(1996年製作の映画)
3.6
Oh...this is シュール。The シュール。

全てを得ようとする者は、結局全てを失うのです…。

ずっと気になってた名作をやっと鑑賞。
名作ってか迷作って感じだけど。カルトな作品ではあると思う。坂道を転がり落ちるような不幸のラッシュ。不条理とも取れるけれどその実、それらは全てその人物たちが下した決断の上に成り立っている訳で。
つまり誰のせいでもないのよね。だからこその、シュール。
出てくる人物たちみんな揃いも揃ってキャラが濃いめなんだけど、基本みんなおバカです。唯一、何にもしてないのにあんなことになる奥さんだけ、不憫だったよ…。
このおバカな登場人物たちの配役が絶妙すぎて、、話の進め方よりもそこばかり見てしまって、ベテラン俳優たちの演技合戦見たさに、何でもないシーンを何回も巻き戻してしまったわ。
何故か妊婦のフランシスマクドーマンド、作り笑いしながら絶対笑ってない目で人を追い詰めるの上手いわあ。「ヤ⤴︎!ヤ⤵︎!」って目を見開きながら言うの、なんか腹立つわ笑
誰に言わせても「ヘンな顔」としか形容されないブシェミ…。ちょっと気の毒。
ウィリアムHメイシーの情けなさは今まででダントツだな。こういう小物の役やらせたらホント右に出る人いないな。
健闘してたのは、聞き込み捜査に協力してた娼婦の姉ちゃん2人!モッさい芋っぽさが爆発!!なんだあの、だるんだるんのTシャツにアホさ滲み出る髪型は…!笑 メイクさん凄い!!

冒頭で仰々しく「これは実話です」って表示される物語は、大体そうじゃない説。

程よいグロ加減。
あれがあーなって、そうなって、ああ〜あ〜〜って転がり具合のシュールさ。この後起こるであろう展開が何となくわかりながらも、目が離せない。
作りは上手い!哀愁漂う音楽も良し。
けれど、圧倒的に登場人物たちに華がない。それもあえての作戦だろうけど、故にまた見たいとは思えない…。

時には用意周到に、時には付け焼き刃な「嘘」をつきまくる登場人物たち。だからこの作品も、嘘 なのです…??
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