カーディーラーのジェリーは借金返済の為、金持ちの舅からせしめようと、妻の擬装誘拐を企てる。前科持ちの修理工から紹介された二人組に車を用意して、首尾よく妻を連れ出すまでは良かったが、車のナンバーを付け忘れ、パトカーに呼び止められる。カッとなった二人組は警官を撃ち殺し、目撃者まで殺してしまう。警察署長のマージは妊娠中だが、降って湧いたようなこの凶悪事件の捜査を始めるというお話。
スリー・ビルボードでは、クリント・イーストウッドの女版みたいなハードボイルドな雰囲気を醸し出していたフランシス・マクドーマンドが、この作品ではまだ女性である。擬装誘拐に始まる連続殺人で実に殺伐とした話なのだが、誘拐犯の二人組がスティーブ・ブシェミとピーター・ストーメアという、ユニークなお顔立ちの面々なので、まるでコメディを見ているかのようである。聞き取り調査で、誰に聞いても「変な顔」としか説明してもらえないブシェミが面白い。
