Netflix で配信中のメキシコ映画『ペドロ・パラモ』を観賞。
死の直前に母に言われた「コマラという町を訪ね、私たちを捨てた父ペドロ・パラモに会え」という言葉を信じて男が訪ねた町は、荒廃した
死者の魂が彷徨う町だった。
ロウソクの灯りしかない部屋で、7日前に死んだ母から「息子が今日着く」と連絡があったと言う段階でもう怖い。
男は亡者の住む町で、様々な死者と出会う内に、父ペドロ・パラモがいかにこの町を暴力で支配してきたかという過去を追体験していく。
薄暗い画面の中、常に暴力と性欲と病んだ心が充満する世界は、不可解な緊張感があっておもしろいが、振り返る過去の時系列が行ったり来たりするのでちょっとわかりにくい。
「僕は死んでいるのか?」という台詞もあるように、劇中、死んだはずの人と平気で話してたりするから、この町自体が「死」に取り憑かれており、主人公もこの町に飲み込まれてしまうのか?
不気味な空気の漂ようホラー映画でした。