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空とぶギロチンのblacknessfallのレビュー・感想・評価

空とぶギロチン(1975年製作の映画)
3.3
中国、清王朝の時代。時の皇帝の命により“空とぶギロチン”が作られる。遠距離から気づかれず人を殺せるこの武器に皇帝は「こりゃ、邪魔者の暗殺に持ってこいじゃん😂」とご満悦。

空とぶギロチンの使い手を養成し皇帝直属の暗殺部隊を結成。以後、皇帝はサクサク暗殺指令を出し部隊も暗殺に忙しい日々に。
そんな生活に嫌気がさした暗殺部隊員マー・トンは部隊を脱走、遁走先で知り合った女性と片田舎でひっそり暮らすことに、そこに皇帝からマー・トン抹殺の指令を受けた空とぶギロチン部隊が到着する。細やかな幸せを守るためマー・トンは暗殺部隊と対決することに。

『片腕カンフー対空とぶギロチン』でお馴染みの空とぶギロチンの元祖は意外なことにかなり地味でシリアスな王道のアクション活劇で武侠メロドラマだった。

主人公のマー・トンが部隊から脱走を決意するのは皇帝の暗殺対象が民を想い皇帝の暴政を諌める側近ばかりという優等生な理由だし、部隊内でも厚遇で皇帝に心酔して殺人マシーンになる勢力とマー・トンみたいな良識派の諍いがあり、とても分かりやすく行儀正しい人物配置。凡庸ながら手堅い演出の中で、皇帝を過剰に陰険なエゴイストに画いてるのがちょっとおもしろい。「公に死刑にすると自分が器の小さい暴君だと思われていやだから暗殺部隊を使い秘密裏に処刑するのがいいんだよ😏」的なことまで言わせてる笑
他のカンフー映画でもあるんだけど、清は漢民族ではなく漢民族王朝の明を滅ぼしてるから悪役にされがちなんだよね、日帝と並ぶカンフー映画の二大ヒールて感じで笑 それで思ったけど、この皇帝の陰湿な人事と恫喝が三度の飯より好きって気質も現在の我が国の首相にそっくりだな笑
そんなベタで分かりやすく極悪な皇帝のキャラもあり日本の時代劇ような雰囲気もある。

ストーリーやテーマはかなり凡庸でつまらないけど、それでもこの映画をそこそこ楽しいものにしてるのは空とぶギロチン。
これ武器としてとってもオリジナルでユーモラスなんだよな。
チェーンに刃が内蔵された笠みたいのが付いてて、この笠を相手の頭目掛けて被せると刃が首にセットされて首チョンパ、笠の中に首が収納される高機能。しかも笠の外側も刃がついてるからぶつけるだけでも傷つけられる優れものなんだよ笑

このおもしろいかっこいい空とぶギロチンでの暗殺シーンの首チョンパや空とぶギロチン使い同士のギロチン・バトルがゴア度も高いし画図もユニークで陽性おバカスプラッター映画的な楽しさに満ちてる笑
空とぶギロチン欲しくなってくるよ、そしてこの映画の皇帝みたいに私利私欲のために平気で民を犠牲にするような連中の首を、特に呪文のように「安心安全」を繰り返すだけで何一つまともな感染対策しないどころか利権のためにコロナ感染のリスクが上がるオリンピック強行するあのスダレハゲの首に、空とぶギロチンを😏
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