OASIS

空とぶギロチンのOASISのネタバレレビュー・内容・結末

空とぶギロチン(1975年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

皇帝に対して批判的な部下二人を抹殺する任務を与えられた近衛兵のシンが、新たに開発した武器を使って任務を遂行しようとする話。

紐があり遠くまで飛ばせる鋭い刃のついた「血滴子」という武器=フライングギロチンを使ったアクション映画。
フライングギロチンという名前からしてもの凄いアクロバティックな武器かと思うも、実際は島木譲二のスピードハットみたいなちょっと間抜けでギャグっぽさが漂う。
相手の頭部めがけて投げ、それが頭にスポッとハマった後に刃が飛び出て首がスパッと跳ぶという絵面は輪投げゲーム的な面白さがあった。

皇帝から勅命を受けた部下が、フライングギロチンを扱う技術を習得する為の部隊を結成して訓練を繰り広げる前半部分。
全員が一列に並んで木の的をめがけてギロチンを投げる姿はゲーム感覚で、それを満足気に望遠鏡で覗き成績優秀者には褒美を与えるという皇帝の存在もあって完全に大輪投げ大会の様相を呈していた。
途中、体操や木登り等フライングギロチンの技術に何が関係あるのか?という競技もあったりして、一体何の訓練だよと思うもの場面も。

訓練の成果もあってか、ターゲットの二人の暗殺は序盤であっさりと片付けられ、そこからは護衛部隊から抜け出した一人・マーが皇帝側から追われるという今までとは毛色の違う展開に。
メイン武器はギロチンのままだが、武術の達人であるマーがキレて格闘戦にもつれ込む場面も。
いくら一撃必殺のギロチンと言えど、近接戦闘ではさすがに分が悪く為す術無くボッコボコにされてしまうという、いつの間にかカンフー映画のようになっていた。

そもそもギロチンが百発百中で相手の頭に綺麗に収まるのも納得がいっていないし、それこそ相手がしゃがんだり猛ダッシュしたりして頭の位置がブレブレになった場合はどうするんだろかと、つくづく近距離戦に向いてない武器だなと思った。

マーが追いかけているはずの皇帝が部下に全てを任せて自分は一切何もせず、しかもその状態から映画の最後まで全く動こうとしないので「あれ、皇帝はどうなった?」と疑問が浮かんでくるのだった。
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