菩薩

絵を描く子どもたちの菩薩のレビュー・感想・評価

絵を描く子どもたち(1956年製作の映画)
4.0
そういや俺は小学生の頃からなぜか紫ばかりを多用していたなと…ようやくその答えがこの作品によって明らかになった。子供の絵を描く行為、すなわち創作活動に見る精神性。制約を課される事なく自由に描く事により、その白い紙の上に子供の感情が写し取られる。その線は次第に強くなり、描かれる物が増え、色を獲得し、子供の世界はどんどん逞しい物へと姿を変えていく。真っ白な世界に自分を刻み込んで行く行為、それは冒険であり、本来は楽しい物であった筈なのに、我々はいつからそれを恐ろしい物と感じる様になってしまったのか。美しさに正解など無い、子供の頃に描いた絵を描き続ける事、その画用紙の中には、大人には到底真似出来ない、豊かな空想世界が構築されている、この表現欲求を忘れてはいけない。
菩薩

菩薩