ノラネコの呑んで観るシネマ

君の声を聴かせてのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

君の声を聴かせて(2024年製作の映画)
4.3
仕事も将来の目標も無い26歳のヨンジュンは、実家の弁当屋の配達で、同い年の聾の女性ヨルムと出会い一目惚れ。
大学時代に手話を学んだ経験を活かして猛アタックを開始し、なんとかお友達になることに成功する。
ヨルムは水泳の韓国代表を目指す、同じく聾者の妹・ガウンの世話で付きっきり。
同居して家事にバイトにガウンの夢を応援しているが、自分の夢は無いと言う。
そんなヨルムに自分と似た部分を感じながら、ヨンジュンは徐々に姉妹と仲良くなってゆくが、決定的な言葉は言えないまま。
なかなか素敵な、韓国製青春ラブストーリー。
ホン・ギョンとノ・ユンソの涼し気な美男美女カップルは、もう見ているだけで眼福。
前半は主にヨンジュンの視点でストーリーが進むんだが、中盤である事件が起こり、ガウンの夢が壊れそうになると、ヨルムの視点が前に出てくる。
彼女はとにかく優しすぎて、自分のことよりも妹や、やはり聾者の両親のためが最優先。
自分自身のためには、生きてきた経験すらない。
なぜ彼女がここまで家族に対して献身的に尽くすのか?に関しては、終盤に明かされるある事実が、「あーなるほど、そう言うことね」となる。
同じ題材を扱った、日本やアメリカの名作とはまた違ったアプローチ。
ところで韓国の手話って、「こんにちは」がいわゆるニャンニャンポーズだったり、「愛してる」がピノキオみたいだったり、なんか可愛い。