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俺は田舎のプレスリーのdoiのレビュー・感想・評価

俺は田舎のプレスリー(1978年製作の映画)
4.5
家族に受け入れられないことをそれほど気にかけていないようでも、湯呑みで飲み明かした翌朝の橋本功との別れのセリフでわだかまりがないわけではない、心残りが垣間見えるカルーセル麻紀。しかし彼女が去ってから、ホッとしたというよりも心にぽっかり穴が空いたように見えるハナ肇と勝野洋の素晴らしい喪失の表情、この喪失感をずっと終わりまで引きずってゆく。その寂しさは自然に高田敏江と鮎川いづみに向かうが、隙間を埋めてくれるはずの二人も東京へ去ってしまう。それでも生活だけは残るのだが。祭の夜に見つめ合う二人の間に交わされる無言の、無数の会話。誰に肩入れするわけでもないが、誰が良い目を見たわけでもない。
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