尊い。
オリジナルの1時間ちょいに対し、こちらは2時間。
はたしてどうなるのか?と思ったが、これはお見事な実写リメイクだった。
オリジナルは小中学生編を起点に、視点の違う高校生編、社会人編が連なる三話オムニバス構造だったが、こちらは大幅に膨らませた社会人編が物語の起点。
オムニバスではなくなり、松村北斗演じる貴樹の2008年から2009年をメインとし、小学時代、高校時代、中学時代が時系列を行き来しながら描かれる。
高校生編以外、主に貴樹に置かれていた物語の視点も、高畑充希演じる明里視点がグッと増え、初恋で得た経験を豊かな日常に繋げられた者と、初恋に囚われてしまった者のコントラストを形作る。
オリジナルは「君の名は。」の原型としても知られているが、大人になった貴樹と明里がすれ違いを繰り返す辺りは、明らかに「君の名は。」を意識した展開。
オリジナルキャラクターの吉岡秀隆を天文博物館の館長にして、宇宙要素を拡充しているのも、同じ文脈+「見上げる映画」とするためだろう。
オリジナルの登場人物だが役割が大きくなった宮崎あおいと桐生麻生、花苗を演じる森七菜、各世代の貴樹と明里、役者たちが皆素晴らしい。
観終わってみると、大きく違う部分も多いのだが、これは間違いなく「秒速5センチメートル」だ。
松村北斗はプラネタリウム映画に縁があるな。
ブログ記事:秒速5センチメートル・・・・・評価額1700円
http://noraneko22.blog29.fc2.com/blog-entry-1832.html