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秒速5センチメートルのmasatのレビュー・感想・評価

秒速5センチメートル(2025年製作の映画)
1.9
想像を裏切り,期待を上回る、
でなければ,映画ではない。

そう言う観点で見る癖がある、そんな輩にとっては、あまりにも当たり前な映画,と言える。

丹精でストイック、フレームは神経質、
と褒められない訳ではないが,それにしても感情を揺する躍動がコない。
“瞬間”を創ろうとする、(演出部の)涙ぐましい努力や、感情を静かに迸らせたいカメラ(8番含め絶不調)も威力を発せない。

どうも90年代の岩井シンドローム、その呪いは半世紀は続くようだ。弟子筋の行定も永田も遠く及ばなく,ここにもまた、果敢に挑戦したかのような痕跡が窺えるが,かつて観たソレは、ソレの模倣でしかなかった。

二度とないからこその永遠なる初恋への・・・幼稚な挑戦。

フシギは、オリジナルは60分なのに,何故、120分要してしまったか、だ。そこに最大の原因があるとしか思えない、平坦な長い長さ。

またオリジナル・オマージュを振り切ろうとする人気ミュージシャンの(中途半端な)主題歌は、必要か?かつての主題歌を、あの程度で粋に使い熟したつもりなのだろうか?

兎にも角にも“アット・ザ・ベンチ”が、破天荒だっただけに残念。まだ“長編”のリズム創出には、早かったようだ。
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