mitakosama

日本一の男の中の男のmitakosamaのレビュー・感想・評価

日本一の男の中の男(1967年製作の映画)
2.7
個人的にこの辺りからクレイジー映画の後期と定義する。
久々の日本一シリーズだけどメンバーが藤岡琢也が入るなど、だいぶ変わってる。クレイジーメンバーは植木等以外は谷啓だけ、あとは顔なじみは人見明くらいか。
今作ヒロインは浅丘ルリ子。日活からのゲスト参加。更に岡田眞澄も。

しかし内容の男尊女卑っぷりよ。チョット目に余るなぁ。基本「女のくせに」と男の働きっぷりをみろ!というスタンツ。

主人公小野子等(植木)は元々造船会社にいたが会長(東野英治郎)の目にとまり、同系列の下着会社に移動。
会長の孫娘(浅丘)の目にとまり活躍、出世。

浅丘ルリ子演じる会長の孫がアメリカ式にムダな接待を廃止した方針をとったが、それに対し旧態依然の社用接待で大口契約を取ってくる。
でもこれって、若い世代の女が作った新しいシステムを旧世代のやり方で潰す話だよなぁ。
初期ー中期クレイジー映画の魅力は従来の社会常識を壊し邁進する姿が爽快だったのに。これじゃ真逆だよ。

東野英治郎も物分かりの良いおじいちゃん役。晩年の水戸黄門のような演技。本来のもっと毒々しいキャラが良いのになぁ。

後期クレイジー映画が、時代にそぐわなくなってきたこと。ドリフターズ等の新世代の台頭。映画産業事態の斜陽化。などにより急激に爽快感が無くなっていく。
そんな時代の象徴的な1本。悲しい。
mitakosama

mitakosama