今日の東京国際映画祭1本目はディーン・フジオカ主演『オラン・イカン』。ガラ・セレクションでの上映だ。
潔いほどのB級モンスター映画。
日本の捕虜運搬船が米軍の誤爆撃により沈没。九死に一生を得た日米2人の兵士は協力してサバイバルを試みるが、流れ着いたその島には「オラン・イカン」という魔物の伝説があった。
南海の孤島でジャングルの中を彷徨う感じは、かつての『マタンゴ』のよう。
前半は古来の怪奇映画の「見せない」演出を踏襲していて、すぐあからさまに全体像を見せてしまう昨今のCG映画に比べて良い味を出している。
怪物の気配を察して「オラン・イカン!オラン・イカン!」と恐怖に慄く原住民がいい!
監督のマイク・ウィルアンさんによれば、オラン・イカンはマレーシアの民話に登場するバケモノで、実際に見たという報告もあり都市伝説になっているそう。
後半、その全身を表してからは、てらいもなく『大アマゾンの半魚人』。
この作品、潔いのは、モンスターものである以上に余計なものは何もないこと。面倒な伏線とか、実は◯◯だったとか、そういったことは一切ありません。半魚人vs人間の闘いだけです。
ディーン・フジオカさま見たさに来たご婦人方は大丈夫だったかしら?
プロデューサーはあのエリック・クー。
おディーンさまの日本刀アクションはカッコいいけれど、東京国際映画祭ってよりはファンタスティック系映画祭向けかな。