ムンジウこんなもんじゃないだろ──東京国際映画祭2024コンペ。クリスティアン・ムンジウが脚本を務めている。絵画泥棒を物語の中心的プロットに据えて移民の生きづらさを描く作品。絵画泥棒に加担させられる気弱な男ジネルがピカソを知らなくて毎回紙に書いたメモを読むとか、わりとギャグっぽいシーンが豊富で笑える箇所もあったけど、そのわりに移民まわりのイシューがそれほど掘り下げられず、ムンジウこんなもんじゃないだろ感がすごかった。学がないのと真性のアホは全く別物なのに、そこがひとつになってしまうギャグがそこそこあるのも違和感あった。
画面の上手に犬、下手に猫、奥にガチョウ、手前に人間を配置する妙に生き生きとしたワンシーンがあり、そこは好きだった。