TIFF。
舞台は南米コロンビア。
19世紀末から20世紀初頭まで、コロンビア人同士が殺し合った「千日戦争」の終結直後。
元革命軍兵士の主人公は、兄嫁の妊娠を知らせるため、政府軍にいるはずの兄を探して、山の中を彷徨い摩訶不思議な冒険をする。
若い写真家を皮切りに、呪い師の女性、貴族の優男、先住民のキリストなど、主人公の前には怪しさ満点の登場人物たちが次々と現れ、先住民の使う幻覚を見せる魔法薬など、ファンタジックな要素も。
話そのものは、100年前に似たような話しが本当にあったかも知れないもの。
だが全体が、マカロニウェスタンオマージュの、フィクションを強調するムードで作られていて、スペインが持ち込んだキリスト教文化と、先住民たちの文化の混濁を感じさせる独特の世界観。
戦争で生まれた憎しみの落し方もユニークで、マカロニを換骨奪胎し最後には神話性を感じさせるあたり、ちょい「エル・トポ」を連想した。
写真(記録)とキネトスコープ(虚構)のモチーフは、コロンビア人として、記憶すべき歴史も、未来にフィクションとして描かれるということなんだろうか。
マカロニ譲りのすっとぼけたユーモアもあって、かなり面白かった。
漫画チックな大佐のキャラが好きw