すずき

王様の剣のすずきのレビュー・感想・評価

王様の剣(1963年製作の映画)
2.5
中世のイギリス。
当時、統一王が在位しておらず、国は荒れていた。
その剣を持った者こそ王位に就く、といわれる伝説の剣も、岩に刺さったままで誰にも抜けなかった。
地方領主の元で働く孤児のワートは、ある日森の中に住む魔術師マーリンの家に迷い込む。
未来を見通すマーリンは、ワートが領主の家来として一生を終わる人間でない事を告げる。
そしてマーリンはワートを正しい道に導く為、彼に様々な知識を授ける…

ディズニー長編アニメーション第18作。
アーサー王の伝説を基にした作品。
縦横比が前々作同様、またワイドに戻った?
絵は「101匹わんちゃん」と同じくラフな線の絵柄。
アニメのクォリティは悪くはないんだけど、前作品と比べると、低予算寄りの印象。
キャラデザが安っぽいのと、ズームやカメラワークが単調でそう感じたのかな。

最初、アーサー王の伝説、と聞いてファンタジーアクション的なモノを期待した。
しかしこの映画、ワートとマーリンが動物に変身して動物の世界から何かを学習する、というくだりがかなりの割合を占める。
一応マーリンと悪の魔女の魔法対決もあるけど、そんなに面白くないんだよなあ。

物語のテンポも良くなかったけど、何より良くなかったのは最終的なテーマがブレてた所。
マーリンは勉強の大切さを教え、その甲斐あってワートは知恵を使って王の剣を引き抜き、自身の運命を切り開くのかな、と思いきや…
ワートは選ばれし者だったから、運命によりあっさりフツーに引き抜いちゃうの。なんじゃそら。
ワートが剣に触った時だけ神々しい演出が始まり、手を離すと演出がキャンセルされるのは何か笑ったけど。