フリーザ

青春デンデケデケデケのフリーザのレビュー・感想・評価

青春デンデケデケデケ(1992年製作の映画)
5.0
数年ぶりに再鑑賞。
小説は既読。
やっぱり邦画で1番好きです。

香川県の観音寺という町を舞台にしたバンドもの。1966年~辺りの時代設定で方言も中々クセがあり皆早口なので何言ってるのか分からないシーンも多々あり笑

観音寺の景色も綺麗で特にちっくんの家から学校に向かうまでのあの長い橋がいいですね。

バンドメンバー集めや機材調達までのワクワク感や練習場所確保の問題やらはバンドものあるあるですがやっぱり楽しいです。
肝心のライブも感動の舞台!大迫力でそのままエンドロール!!…じゃないのが良いです。
高校生のコピーバンドの物語、ライブはゴールではなく果てしなく続く人生のひとつの場面であり、ここをドラマチックにし過ぎなかったのが個人的にかなり好きな部分です。

小話を積み重ねていく様な方式で話が進み、一つ一つが物凄く盛り上がるわけではないので単調になりそうですが大林監督らしいトリッキーな演出で全く退屈しません。

文化祭前日、ちっくんが家に帰ってから自転車に乗ってまた学校に向かうシーンのワクワク感がたまりません。色んな部活の生徒が遅くまで残って文化祭の準備をしているあの感じも何度観ても幸せな気持ちになります。
ちっくんの初デートの話然り巧の失恋の話然り、どのエピソードも「あーなんかこんなことあったなぁ」という懐かしい気分にさせてくれます。

大林監督作品を連続で観てるので常連の役者が分かってきて以前より楽しめました。

個人的な話ですが、高校時代に初めて楽器を買いに行くぞという日に親に勧められて鑑賞しました。
あれから10年以上が経ち今ものんびりバンド活動を続けていますが、この映画を観る度にバンドを始めたばかりの気持ちを思い出します。
特に最後のちっくんのセリフはずっと自分の心に残っています。


2020.8.19
2024.3.29
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