タカシサトウ

アラビアのロレンス/完全版のタカシサトウのレビュー・感想・評価

4.0
[デヴィッド・リーンの最高傑作]

 素晴らしかった。

 いろいろ言われているように、この作品は、壮大な砂漠の場面は映画館で観るにふさわしいものなんだろうが、再び映画館まで行けないのが残念だった。

 しかし、DVDであっても、本当に砂漠は美しかった。遥か彼方から、アリ(オマー・シャリフ)やロレンス(ピーター・オトゥール)が立ち現れる場面や、朝日が砂漠の彼方に昇る場面は目も眩むほどだ。完全版で、映像は本当に美しかった。
   
 また、ロレンスが、最初は英雄視されていたものの、英国にもアラブの国王にも次第に利用され、最後には切り捨てられるのが痛ましく、大変な人生だったと思う。

そして、軍隊にはなじめず、アラブの砂漠の"清潔さ"にのめり込んで行くロレンス、また、ホモセクシャル的な彼の妖艶さを演じられたのがピーター・オトゥールの魅力なくしては考えられなかっただろう。

 デヴィッド・リーンの最高傑作だと思う。(2017.4.23)