TIFF。
雲南省の少数民族の村。
祭りで牛を殺す屠牛士の男は、都市での出稼ぎ興行の間に、娘の自殺を知る。
娘がいじめられていたことを聞いた主人公だが、首謀者の少女は隣国ミャンマーに逃げたという。
何としても自殺の原因が知りたい主人公は、国境を越える。
一見するとジャンル映画で、前半仇探しで後半ミャンマーでヤバいことになってる仇少女を助けて逃避行、という構造もジャンル映画なんだけど、中身はジャンルレスと言う不思議な映画。
主人公は自殺の原因を作ったはずの少女と過ごすうちに、彼女が亡くなった娘の、鏡像のような存在だと感じはじめる。
背景となる少数民族の文化がスパイスとして効果的に機能し、やがて物語は父の贖罪と継承の物語になってゆく。
リウ・ジュエン監督は雲南省に住んでいたことがあり、この映画の父娘のような人物に実際に会ったことから、本作を着想したという。
仇の緑髪の少女を演じた邓恩熙(ダン・エンシー)はちょっと河合優実っぽい。
主人公の王砚辉(ワン・イェンフイ)との美女と野獣コンビも良かったが、二人の関係を象徴する本国版のポスターが秀逸。
中国の映画ポスターって、いつもセンスいいんだよな。