ギズモX

ストリートファイターのギズモXのレビュー・感想・評価

ストリートファイター(1994年製作の映画)
3.7
格ゲーの金字塔『ストリートファイター』の実写化作品であり、同作品の人気キャラクターガイルをヴァンダムが演じた90年代娯楽アクション映画。
ガイル率いる連合軍が独裁国家を支配するベガの軍団とドンパチするぞという、何かが致命的に間違っている珍品。

個性のベクトルが別方向に吹っ切れていて、原作に対するリスペクトは0に近い。
再現度で言うならジャッキー版の『シティーハンター』の方が遥かにしっかりしている。
そもそも、"ストリートファイター"なのに、ストリートファイトを全くしないのはいかがなものか。
しかし、逆に言えば"昇竜拳"や"波動拳""ソニックブーム"など、見たらファンが喜ぶ原作再現に全く媚びておらず、突っ込みどころをもろともしない勢いみたいなのが満ちていて、良い意味でも悪い意味でも型にはまっていない。

その他にも、キャラ崩壊しすぎな登場人物が多くて話の軸がブレブレ、一部のキャラクターの名前がゲームと違うという問題点があるものの、ヴァンダムの熱い演説、ヴァンダムのキレキレなアクション、ラストの全員集団&キメポーズと、ドンパチ映画として押さえるべきところはきちんと押さえている。
この映画の良さは"ヴァンダム"だ。

『スト2』実写化映画として見るならポンコツかもしれないが、ヴァンダム映画として見るなら十分に楽しめる一品です。

うーん、ヴァンダム!

「しかし、国へは帰れる」
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