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悦楽共犯者のざべすのレビュー・感想・評価

悦楽共犯者(1996年製作の映画)
5.0
感覚に訴える6人の自慰的変態の狂宴。

変態映画として最高峰と言ってもいい怪作。
ただし他人にお薦めすると、翌日から人が遠巻きになることうけあい。

全く理解したくない性嗜好が怒涛に押し寄せてくるが、すべての変態行為に『ああ、こういうところに快楽を感じてるんだろうな』と自分の脳にダイレクトに伝わるのがスゴい。
一番の功労者は音だ。
この映画にセリフの音は登場しないが、タワシのゴシゴシ、鯉が口を開けるパクパク、炭酸がシュワワワと泡立つ音など、いわゆる効果音が脳髄を揺さぶってくる。
そこに変態的な映像が合わさって、鑑賞者にも否が応でも分からされてしまう。

タイトルの『悦楽共犯者』が、映画の登場人物たちを指すだけではなく、鑑賞者も共犯者としてしまうのは、
ほんともう技巧がすぎる。
個人的にはこの作品がヤン・シュヴァンクマイエル監督の集大成でもいいんじゃないかとすら思います。
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