おりょうSNK

セプテンバー5のおりょうSNKのネタバレレビュー・内容・結末

セプテンバー5(2024年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

2024年 ドイツ 95分
土曜13:15〜 観客20人

かつてスピルバーグが『ミュンヘン』で描いた、パレスチナ武装組織「黒い九月」によるイスラエル選手団人質事件。それを報道したジャーナリストたちの姿を描く。報道専門ではなく、スポーツ担当部門の姿を。

彼らは単なる「伝える人」ではなく、義務感と倫理観の狭間で、情報の海に溺れそうになりながら、それでもカメラを回した人たち。裏方や現場に飛び込んだ若い記者、指示するディレクターの緊張感がリアル。

派手さはなく、むしろ淡々としていて、その中に、報道という営みの重さと、時代の空気がじんわりと滲み出ていた。
ただ、大きな感銘を受けたかというと、そこまではなく。過不足なくまとまっていて、丁寧に作られているのは伝わるのだけれど、強く残るものが何だったのかは、少し曖昧だったかもしれない。あの日に起きた事実と対峙した人たちの行動を、静かに問いかけるような作品だった。
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