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サンセット大通りのmikoyan358のレビュー・感想・評価

サンセット大通り(1950年製作の映画)
5.0
2011/5/21再鑑賞(鑑賞メーターより転載)
「午前十時の映画祭」にて再鑑賞。天晴!という他ない「映画観た感」がガッツリ120%味わえる名作。少ない登場人物の描写の繰り返しでありながら蛇足な展開など一切なく、一気に結末まで持っていかれる。そして前回も書いたが、やはりグロリア・スワンソンの「サイレントのスター」に爪の先までなりきった演技には素直に拍手を送るほかない。この際どい脚本を了承し鬼気迫る演技で応えた彼女こそ「大物」と呼ぶにふさわしいだろう。そういう意味では彼女の「私は大スターで、映画の方が小さくなった」というセリフは、実に的を射ている。

2009/1/20鑑賞(鑑賞メーターより転載)
この映画は何といってもグロリア・スワンソンの存在に尽きる。演技を通り越し、映画という設定を借りて自分の存在証明をしているかのような、そして本当の亡霊が出てきたかのような鬼神のような振る舞いは一度見たら絶対に忘れられない。執事役のシュトロハイム含め、映画黎明期に十分すぎる実績のあった2人を完全に「過去の遺物」扱いするからこそ、虚構とも現実ともつかないリアリティが生まれたのだろう。軽快なコメディだけでなく、これだけ人間心理と業界の暗部をあぶり出すサスペンスも作れるワイルダーの才能に敬意を表し満点。
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