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サンセット大通りのSのレビュー・感想・評価

サンセット大通り(1950年製作の映画)
3.9
2018/12/04 シネフィルWOWOW

売れない脚本家ジョーが、借金取りに追われて偶然逃げ込んだ ロサンゼルス サンセット大通りの大邸宅。
そこは往年の大女優 ノーマ・デズモンドの屋敷だった。
彼女が書いた脚本の手直しを依頼されたジョーは、ノーマと一風変わった召使マックスとともに邸宅で暮らすことになる。
事実と思われかねない為、本作のキャスティングは難航したが、
ノーマ役にはサイレント期に活躍した大女優グロリア・スワンソンが決定した。
パラマウント社のスタジオを訪れたノーマが、彼女を知らない若い守衛に「このスタジオは私が建てたようなものよ」と言い放つシーンがある。
実際に絶頂期のスワンソンは6年連続、パラマウント社で最も利益を上げた女優だった。
本作の描写は辛辣で、試写を観た映画人が激怒したという。
鬼気迫るスワンソンの演技、ラストシーンは全盛期のハリウッドへの想いに満ちている。
※番組作品解説より

既に20年前に映画界を引退し、世間からは忘れられた元大女優。
過去の栄光や美に必死にしがみつく、今や生きた化石となった女の悲しい性(さが)を目の当たりにした。
過去三度の結婚をしたが現在は未亡人。そんな孤独な彼女に仕える執事は、彼女の一人目の夫であり、駆け出しのノーマを見出しデビュー作を撮った元映画監督だということ。女優として、また女性としてノーマに寄り添い見守り続けてきた執事の愛の深さを感じた。映画の撮影だと信じて疑わないノーマに真実を告げる事なく、執事が自ら彼女が階段を降りる姿を撮影するラストシーンは圧巻。
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