浅野公喜

サンセット大通りの浅野公喜のレビュー・感想・評価

サンセット大通り(1950年製作の映画)
3.8
今観ても斬新なオープニングがまず秀逸。過去の栄光に囚われた女優という存在は、どことなく普遍性を持ち興味を惹くものですし、脇を固めるキャスト達はバスター・キートンといったサイレント時代の名優というのも作品そのもの、そしてストーリーにリアリティや説得力を持ち込む事に成功しています(キャスティングされた本人達の心情を考えると微妙なものがありますが)。

普遍性を感じるのは客観性を失い、高いプライドだけが残った比較的年配の人間がなんだかんだここ日本でも多いと感じるからかもしれません。ただ、作品と違う点はその多くは男性という事でしょうか。
たまに女優はおそらく誉め言葉として男性的と表現されますが、それは必ずしも誉め言葉ではないのではないか?という疑問を悪い意味で男性化(=プライドだけが高く、見栄っ張り)した女優が登場するこの作品は自分に投げかけてもいます。個人的に。
浅野公喜

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