ロルナの祈りの作品情報・感想・評価

「ロルナの祈り」に投稿された感想・評価

Automne

Automneの感想・評価

3.8
いまも昔も変わらない。グレーなことして生きる人々。
偽装結婚、偽装の生活。ロルナがほんとうに愛したものはなんだったのだろう。産まれていない子どもか、それともソンムか、あるいはヤク中の男なのか、それとも。
はかないからこそ追いかけたくなる愛。
生と死が色濃く混ざり合うなかで、物語は終始ひっそり淡々とつづられるため、抑揚に欠ける。その分込めたものというのは伝わりづらかったというのが正直な印象ではある。絵は美しい。固定しないカメラの動線でこんなに綺麗に撮れるものなのかしらと不思議に思った。
ラストシーンが好きです、半分放り投げてかっこつけてる感じも含めて、幻想的で、フルマラソン完走したあとみたいな、ぼわっとした高揚感に包まれて眠る。明日なんてないのに、明日のご飯の心配をする。そんなひとつの些細な所作に彼女自身の気持ちが篭っている。これまでだってそうだったのです、明日なんて分からないその日暮らし。未来は明るくない、ならばせめて夢は見たい、なんて。
mare

mareの感想・評価

3.5
故郷にいる恋人のために国籍を取得しそのためにヤク中の男と偽装結婚をするところから始まり、表面上だけであった関係性に思わぬ愛が芽生えてしまう。夢のためとはいえその過程で誰かが不幸になっていく姿を淡々と見せてくるあたり、冷徹な社会をリアリティたっぷりに描くがその一方で微かな希望も匂わせる。弱者が弱者であるが故に卑劣な人間たちに漬け込まれる社会の縮図を表したような作風で良心をジワジワと抉るような辛い展開。ヤク中の男が根は人懐っこくて良い人なだけに余計に感情移入してしまう。
およそ7年ぶりの再見。
当時は何かとんでもないものを見た気がしたけど、見返したらそうでもなかったあるある。多分「バルタザールどこへ行く」辺りのイメージが合わさってた。リアリティから内的・神秘的な世界に向かう話は今でも好みではあるけどいまいちのれなかった。やはり優しすぎる。主人公が幸福の絶頂で終わらせるからだと思うが、邪推する俺はこの後の悲劇を想像する。
ホームと社会との境としてよく道路を渡るところを撮っていたのに今作ではなかったような。その点でもロルナのための話にしたかったんだろう。
ropi

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3.6

このレビューはネタバレを含みます

国籍取得のため薬物中毒のクローディと夫婦役を演じることになったロルナ。はじめはクローディを利用し疎ましがっていたけれど時間を共にするうちに僅かな情が湧いてくる。ロルナの感情の波が激しく表情にも出ないのでクローディに対する気持ちの変化の境目がわかりにくい。クローディと言い争ったあとの行為も唐突すぎてついていけず。衝動的だったのかあの時点で愛があったのか。
クローディの自転車を追いかけてる時の、ロルナの表情が忘れられない。作中一番のキラキラな笑顔。ジャケ写にもなってます。クローディを失い歪んだ感情は無くなり真っ直ぐな愛情だけが残る。空に呟く言葉が切ないね…

クローディ役を演じるために15キロ減量したジェレミー・レニエの演技がとてもリアルで強烈。震えて怯えて崩れ落ち、ロルナにすがる姿はまさに本物の中毒者だった。
くれお

くれおの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

クローディをお父さんだと言いながら
お腹に居ると信じている我が子に語りかけるシーンは切ない
でもロルナが生きていこうとする強い意志と希望を感じた


クローディの自転車を追いかけた時に見せたあの笑顔が戻る日が来ると信じたい、お願い、と祈る気持ちになるラストだった
ZAKK

ZAKKの感想・評価

3.0
暗い、ひたすら話が暗い、週末一人でみるには不向きな映画
「君を見ていれば耐えられる」
恋以外の何ものでもないですね。
そしてロルナが笑ったのも、この時だけでした。

クローディにとってロルナは、はじめは縋るだけの相手だったのかもしれない。だけど、クローディに対し冷たくしきれないロルナの優しさが、彼の心にしみたのでしょう。
金には汚くなく、女性の存在を尊重するクローディ。欲望のために突っ走るロルナやソコルとは違うクローディの無垢さに、彼女が魅かれたのは何らおかしなことではないはずです。

先進国である日本は世界から見れば、裕福な環境です。先進国で暮らす自分が、ロルナやソコルの行為を簡単に責めることはできません。(ブローカーは如何かと思いますが…。)
設定は多少変えたそうですが、このストーリーが実話から着想を得たことを忘れてはならないと思うのです。

殿方には理解がしがたいようですが、自分にはロルナの気持ちが分かる気がしました。
ロルナはクローディと自分との結晶が欲しかったのでしょう。それを想うことで、実際にラストのロルナは強かった!更に彼女が強くなったとき、いつか現実を認められるのではないでしょうか。

ダルデンヌ兄弟作品は、なぜにこうも胸を打つのでしょうか。
エンディングのピアノソナタに希望を感じるとともに、まるで子守歌のようにも感じました。
OnOrOff

OnOrOffの感想・評価

3.9
愛とははかない。
usa

usaの感想・評価

4.0
笑顔でクローディを追いかけるロルナ。束の間の幸福が切ない。
度々あらわれる鍵とお金が印象的である。
ロルナは引き出しの鍵もロッカーの鍵もしっかり閉める。けど、クローディにせがまれても家の鍵は閉めない。心を閉ざしたくないというメタファーだろうか。
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