しゅわっち

ラウンド・ミッドナイトのしゅわっちのレビュー・感想・評価

ラウンド・ミッドナイト(1986年製作の映画)
4.4
50年代のパリを舞台に伝説的ジャズサックス奏者のデイルと、古くからの彼のファンであるフランシスとの友情の物語。
デイルは演奏の方は健在であるものの酒に溺れた生活をしており、いつ死ぬやもしれない展開にヒヤヒヤ。そんなデイルを見かねたフランシスが借金をしてまでデイルを立ち直らせようとする。そんな話。

50年代のパリの街並み。タバコの煙が揺らめくジャズクラブの店内。演奏に聴き入る客。演奏をBGMに会話する客。毎夜毎夜楽しそうにセッションするミュージシャン。
その雰囲気を、目と耳で感じるのがこの映画最大の楽しみ方。
そして「生きることに疲れた」と言いながらも音楽への探求を止めないデイルの生き様に胸が熱くなった。

映画を観終えた後、劇中で発表されるデイルが娘のチャンにあてた曲『Chan's Song』が数年前に亡くなったマイケル・ブレッカーのアルバムに入ってたのを思い出して引っ張り出し「そういう曲だったのか」と感慨深く聴き直した。

あと、別れた奥さんがフランシスに言う「まだ彼(デイル)があなたの生き甲斐なの?」と聞くシーンは虚しい気持ちでいっぱいになった。

2015/02/15 BS REC
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