なすび

ボウリング・フォー・コロンバインのなすびのレビュー・感想・評価

5.0
初マイケルムーア!先週くらいまでマイケルムーアと言えば春菜でしか知らなかったので(世間知らずもひどいな自分)こんな映画を作る人であるとはビックリした…!笑

マイケルムーア敵に回したくないな〜〜笑 頭の回転早いし弁も立つしドス黒いブラックジョークでこんな映画作ってくるんだもん……この人は自分の意見を人に正確に力強く投げることができる人間だなぁと思いました。(私はそういうのめちゃくちゃニガテだ…モゴモゴしてしまう…)

コロンバインの銃乱射事件そのものについてではなく、なぜそのような事件が起きたのかという原因を広い視点から探っていく。この「なぜ」を突き詰める姿勢こそがマスコミが見習うべきで、マイケルムーアはアメリカのマスコミ全体に正しいニュースの作り方も暗に教えているのではないか…?とか思った。ひたすらに視聴者の恐怖を煽り続けるニュースが多いのは昨今の日本も同じで日本も悪い意味でアメリカの真似してるんじゃないかよ…
手軽に感じれる恐怖や怒りには中毒性があると聞いたことがある。人々は日々のテレビ放送で得る恐怖や怒りを心待ちにしている状態な気がする…そして恐怖や怒りを鎮めるために商品を買う…この構造って「フェドアップ」でのファストフードや炭酸飲料と同じ。企業の餌食になっている人々…。

なぜアメリカでだけこんなに銃による死者が出てるのか、という疑問に意外とみんな答えられない。答えても思い込みで間違っていることが多く「暴力映画をたくさん見るから」「暴力で国を作って来たから」「人種が様々だから」…どれも違う…!なんとなくみんな核心を避けているような、歯切れの悪さもある。そもそも、アメリカだけのこの異常事態を他の国と比べて自分の国のどこかおかしいのか、間違っているのか、本気で考えている人はあまりいないんだなということにビックリした!アメリカ人の心の何処かに「うちの国は周りとちげーから、アメリカは特別だから」みたいな気持ちが潜んでるんじゃないか…?やたらと「This is my country」とか「ここは俺の土地だ」とか言いたがる人が多いのも何か引っかかる…お前の土地だけど、手に入れて柵で囲んでそこに閉じこもってそれが本当の自由なのだろうか…?

「自由」や「権利」という言葉を用いて強い人たちが自分の好き勝手して弱者には知らんぷりしてる国になっているように見えた。弱者への対応を迫られた時の反応が超うわべ口だけでそれより自分の身を守るのに必死。カナダの人が「弱者を負かしても強者になれる訳ではありません…」って言ってたのその通りだな…なんていうか、思いやりとか助け合いの精神ってアメリカという国にはないのかな。。。

でもなんか1番私がこわいなと思ったのは自分がもしアメリカで生まれて然るべき環境で育ったら自分も自分の身を守ることに必死で立場の弱い人のこととか気にしないし、銃も持つし家に柵立てて囲んで鍵かけるんじゃないんだろうかということです。こうやって外野にいるからやいのやいの言えるけど、実際渦中にいたらどうなんだろう…正直今の日本のこともよく分かってないし国を良くしたいとも思っていないし…無責任な人間だよね……

いろいろ考えてつかれた!おなかすいた!サンドイッチとかマフィンとかたべたいんだけど!!!!!!
なすび

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