ノラネコの呑んで観るシネマ

沈黙の艦隊 北極海大海戦のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

沈黙の艦隊 北極海大海戦(2025年製作の映画)
4.5
配信シリーズの、東京湾脱出から始まる続編。
「鬼滅」や「チェンソーマン」の様な、アニメーションでは成功しているシステムだが、果たして実写ドラマではどうか?
まあ興行面はともかく、単体映画しての仕上がりでは、しっかりと前作を超えてきた。
今回のメインは、北極海を舞台にした潜水艦対潜水艦のバトルなので構成がシンプル。
日本の総選挙や上戸彩の記者はサブストーリーとして描かれるが、メインプロットは独立国やまとがひたすらニューヨークを目指すだけ。
前作の重要キャラだった、深町すら出て来ない。
ベイツ兄弟が指揮する、アレキサンダーとキングの二隻の米軍原潜とやまとの死闘は、これぞ潜水艦映画という息詰まる頭脳戦となっていて、手に汗握る。
ちょっと邦画的にウェットではあるが、これはまあ許容範囲内。
終盤のニューヨーク沖での戦いも、相変わらずアスロックがほぼ爆雷だったり、変なところはあるもののなかなかの盛り上がり。
配信シリーズではCGの質感が安っぽくなってしまっていたが、今回では戦闘時間を明け方に設定してノイジーな画にすることで、上手い具合に見え方をコントロールしている。
次あたりで完結だと思うのだが、ここまで原作ディテールをすっ飛ばしてゆくと、はたしてどうやって完結させるのか気になる。
好演の大沢たかおの最大の見せ場でもあるオチは、さすがに変えないと思うが。