バンバンビガロ

間違えられた男のバンバンビガロのレビュー・感想・評価

間違えられた男(1956年製作の映画)
3.8
いきなりヒッチコックご本人の登場でかなり大上段に構えた前口上が披露されるが内容はただ強盗犯に間違えられてしまった男を描くというそれだけの話。しかしただそれだけの話をここまで重厚に仕上げてくるのはまさに監督の手腕であると思う。
特徴的なのはこれまでのヒッチコック作品にはない徹底されたディティールへのこだわりで、逮捕されて裁判に至るまでの過程、その中で起こる個々の出来事や動作に然るべき重さが与えられており、それによって追い詰められていく主人公の心情をリアルな手触りで伝えている。
個人的には最後の一家のその後を伝えるキャプションが残念なところで、ハッピーエンドにするつもりなら映像でそこまで描くべきだし、そうでないならバッサリ切って終わりでよかったように思える。
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