キミシマユウキ

間違えられた男のキミシマユウキのレビュー・感想・評価

間違えられた男(1956年製作の映画)
3.5
ジャズバンドのベースを務めるマニーは妻の治療費のために保険会社にお金を借りようとした時、過去に強盗に来た男と良く似ていたため通報されてしまい……

『めまい』『知りすぎた男』の
!!アルフレッド・ヒッチコック!!
の監督によりサスペンス映画。
ヒッチコックはコンプリートしたいので鑑賞。


「これは、実際に起こった出来事を基にした映画です」


と、珍しくカメオシーンでボケず冒頭に[古畑任三郎]よろしく脅しのナレーションを掛けるヒッチコック。
彼がそう警告するようにいつもならサスペンスの中にユーモア散りばめる彼の作風も影を潜め、今作はかなりシリアス一辺倒だ。
強盗と勘違いされ、警察には信じてもらえず、検察は強引に手続きを勧め、アリバイを知る証人はなかなか出てこず……
と追い詰められまくって可愛そうな主人公の悲哀が堪らない。
最後までそんなに救いもないのがより染みる。

主演はヘンリーフォンダ。
当時の名優である彼が枯れた演技を見事にしていて、希望を失っていくにつれて目の光が失ってく感じがすごい。
あとは知ない方です。

そんなこんなでヒッチコックにしてはシリアスな1作。
個人的にはもうちょいユーモアのある時の方が好きかな?

ヒッチコック好き、名優フォンダの渋い演技を見たい方、そして間違えれちゃう男を見たい方にはオススメの作品。