Azuという名のブシェミ夫人

アズールとアスマールのAzuという名のブシェミ夫人のレビュー・感想・評価

アズールとアスマール(2006年製作の映画)
4.3
フランス映画フェス開催中。
と言うより、ちょっとミッシェル・オスロ監督フェスになってるけど。笑
すっかり虜ですよ。

白い肌に青い目をもつ青年アズール、褐色の肌に黒い目をもつアスマール。
二人はアスマールの母ジェナヌ(アズールにとっては乳母)のもと一緒に育てられていた。
幼き頃から二人を夢中にさせたのはジェナヌが語る『ジンの妖精』の物語。
やがて成長した彼らはそれぞれにジンの妖精を救う旅の決意を固めていた。

わぁぁぁ!これまた素敵♡♡♡
『夜のとばりの物語』が上品に輝く月ならば、この『アズールとアスマール』は情熱的に照らす太陽!
色彩が持つパワーを最大限に生かしたような力強さが画面いっぱいに広がります。
なかなか最初は不思議な質感のアニメーションに馴染めないと感じる方も多そうですが(私もそうだった)物語が加速するにつれてまるで気にならなくなるどころか目はくぎ付けだし、心奪われる美しさ!
動く美術作品だわ。
それはそれは緻密で美しいモザイク模様や調度品を背景とし、その中にいる人間や衣装はごくシンプルに描いていることで、却って人物を浮きあがったように際立たせていて不思議な感覚。
描いたものもあれば写真からコラージュしたものもあり、さらに人物の顔は3DCG。
平面と立体が融け合うとこんな素敵な画になるのか。

深紅のライオンと虹色の鳥サイムールの攻めたデザインが格好良い!
あと何語か分からない言葉を話すジンの小人がビジュアル的には妖精というより小悪魔みたいなんだけれど、その仕草からなんだか妙に愛らしく思える。
衣装担当の子が欲しいな♡
特典でオスロ監督が三鷹の森ジブリ美術館を訪れた際の様子が入っていたのだけれど、壁にサインをした時にこの小人をササッと描いていてとても可愛かった!

でも、この作品がみんなに見せたいのは夢に見た妖精や輝ける宮殿などでは無く、きっともっと他のこと。
肌の色が異なる者、瞳の色が異なる者、言語が異なる者、着飾り富める者も着飾らず慎ましやかな者も、老いた者も幼き者も、分け隔てなく手と手を取り合い笑い合うことの素晴らしさ。
私たちが生きている世界は、私たち人間は、こんなにも美しいのだ。