停滞

ヒア&ゼア・こことよその停滞のレビュー・感想・評価

ヒア&ゼア・こことよそ(1976年製作の映画)
3.6
わかりやすくはないが説明的でこれも映画だけどもはやゴダールの宣言のよう。

タイトル的にはici(フランス)とailluers(パレスチナ)を対置しているが、そのほかにも空間と時間、映像と音などを対置させている。それらをdeではなくetで結びつけることにより二つを等価に扱うべきと主張しているのだと思った。
顕著な例は貧乏についてで、地続きの世界を分断し上下で捉えようとする思考により、ここで貧乏なのがよそで裕福ということが起きる。でも世界を捉えるとはそうあるべきではない、ただでさえ現実を正しく映し取れない映画の中ではそれぞれの要素を対等に扱おうではないか、みたいなね。
素材は1970年で、この形になったのがアンヌ・マリー・ミエヴィルとソニマージュを設立したのちで、ソニマージュの考えはこれに表れてるようにも思いました。
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