ゆめちん

ザ・ロックのゆめちんのレビュー・感想・評価

ザ・ロック(1996年製作の映画)
4.5
ザ・ロック

公開当時に映画館で鑑賞しましたが、またスクリーンで鑑賞できるとは。復活した "午前十時の映画祭"、しかもオープニングは昨年亡くなったショーン・コネリーの代表作という、何とも粋な計らいが嬉しい限り。

かつて脱出不可能な刑務所として名を馳せたアルカトラズ島、別名 "ザ・ロック" 。戦死した軍人への待遇に不満を抱いたハメル准将は、生物兵器を奪いザ・ロックに人質を取って立てこもる。政府は事態の解決に、かつてザ・ロックから脱獄経験のある囚人メイソンに白羽の矢をたてる。

カーアクションに銃撃戦、大爆発シーンなど迫力のある映像と、秀悦な脚本による骨太なストーリー、豪華俳優陣の共演など見どころ満載で、アクション映画が好きな方なら間違いなく楽しめる一本。

恋人と生まれてくる子供のために戦う化学兵器専門家のグッドスピード、娘に会うために生き続けた元英国諜報員のメイスン、亡き部下のために立ち上る海兵隊のハメル准将、3人それぞれに信念があり、その背景が丁寧に描かれるのでそれぞれに感情移入してしまう。

冒頭のハメル准将のただならぬ覚悟と決意が表情から伝わるシーンも味わい深いし、シャワー室でのハメル准将とアンダーソン中佐のやり取りは本作屈指の名シーンで、何度観てもグッときてしまう。
このエド・ハリス演じるハメル准将の苦悩と葛藤のバックストーリーがあるからこそ、作品が味わい深くなっている。

そして何と言ってもメイソンを演じたショーン・コネリーの、スマートで円熟味のある演技に魅了される。最初は伸びっぱなしの髪と髭に囚人服のボロボロな老人が、髭と髪を整えパリッとスーツを着こなすと品のある英国紳士に生まれ変わり、これだけ豪華なメンバーの中でもその存在感と貫禄はさすが。改めて凄い俳優であることを実感。
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