ハル

ザ・ロックのハルのレビュー・感想・評価

ザ・ロック(1996年製作の映画)
4.0
知らない作品だったけど、TLのレビュー(Sakiさんの)を読んで面白そうだなと感じての鑑賞。

冒頭のThe・アメリカンな劇伴からしてテンションが上がっていく。
マイケル・ベイ監督は「ここからガンガン行くぞ!!」という煽り方が本当に上手だ。
彼の作品にはいつもハマってしまうけど、これは格別。
軍内部のクーデターから身代金立て籠もり、その場所に選んだのが難攻不落の監獄『アルカトラズ』
おあつらえ向きな設定を、お得意のパワープレイでラストまでぶん回す。

アルカトラズを攻略して、犯人グループを制圧しなくてはウイルスミサイルがサンフランシスコに飛ばされてしまう。
止めるために必要なのはアルカトラズを知り尽くしている者、つまり元はそこに幽閉されていた犯罪者。
特赦を条件に脱獄のスペシャリスト、メイソン(ショーン・コネリー)がチームに加わる。
さらに、相手の細菌兵器に対する対策としていつも試験管を振っている科学屋のグッドスピード(ニコラス・ケイジ)も招集。
こうして、クーデター軍殲滅部隊+二人のタスク・フォースが結成。
しかし…潜入は上手く行ったものの、待ち構えていた敵に襲撃され…という流れ。
絶体絶命のピンチ!
なんたって科学屋は戦闘経験0,もう一人は60過ぎの脱獄が上手いだけのおじいちゃん…のはずが、実はおじいちゃんが超強く、それに呼応して成長するグッドスピード。
生死の狭間で生まれる友情ほど強いものはないよなぁと思わせる。

今作の肝は軍隊同士の戦いということで対人格闘術、銃撃アクションの迫力が桁違いなこと。
”プロ対プロの殺気”、そこに元同僚という遺恨と複雑な感情が入り交じる銃撃戦。
「昨日まで同じ釜の飯を食ってたやつを撃てるのか?」
無言の問いかけが場の空気を重くする。
戦争をやってる国のリアルが痛いほど伝わってきた。
ハードでシビアなシーンの連続…戦争経験者のメンタルが壊れてしまい、帰ってきてからもメンタルヘルスの通院が必要という悲話も当然だなと思わせられる。

犯人側の理由も至極納得で大義があるからこそ、鑑賞者側も引き込まれて最後の最後までハラハラ・ドキドキ。
敵の大将も男気があるし、彼の気持ちが揺れ動く様も見どころの一つ。
CG、VFX全盛のいまだから新鮮な“アナログ感”
「綺麗にエフェクトかけて魅せる」、ではなく泥臭くリアルな質感で訴えかけてくる潜入モノの圧巻なダイナミズム。

ニコラス・ケイジも良かったけど、やはり今作はショーン・コネリーかな。
イケオジ過ぎる!
この年齢(撮影当時は65?)でこれだけ動けるだけでもハンパじゃないし、名優ここにあり!!
良作は時代を経ても良作であることが深く理解できたし、流石のマイケル・ベイ。
過去の作品も漁って、また見てみます。

Special Thanks to 〜Sakiさん〜
ハル

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