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ザ・ロックのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ザ・ロック(1996年製作の映画)
4.7
米海軍の歴戦の英雄ハメル准将(エド・ハリス)は、12人の部下と共に海軍兵器庫から致死性の神経ガス・ロケット弾を奪うと、観光客81人を人質にアルカトラズ島を占拠。ロケットの照準をサンフランシスコに向けた。
ハメルが奪った新兵器の神経ガスを燃焼し、効力を失わせることができるのはプラズマ兵器だけだが、未だ開発中でタイムリミットまでに間に合うかはおぼつかない。残る手段はただ一つ、島に潜入してロケットの発射装置を除去するしかない。
FBIの化学兵器スペシャリスト、スタンリー・グッドスピード(ニコラス・ケイジ)がその任務に選ばれた。
かつて脱獄不可能な刑務所として知られたアルカトラズは、もともと複雑な設計に加えて増改築を繰り返したため、内部を知る者は誰もいない。
ただ一人、33年前にここから脱獄した囚人ジョン・パトリック・メイソン(ショーン・コネリー)を除いては。メイソンは最高の訓練を受けた元SAS(英国特殊空挺部隊)の諜報部員だが、なぜかその存在は一切抹消され、裁判も行われぬまま60歳を越した今も幽閉され続けていた。
メイソンは恩赦を条件に協力を要請するFBIの言葉を信じず、一瞬の隙をついて逃亡。
シスコ市街で激しいカーチェイスを繰り広げ、ただ一人の肉親である娘のジェイド(クレア・フォーラーニ)と会っているところをFBIに包囲された。
だが、グッドスピードはメイソンを囚人としてではなく、作戦の協力者として扱い、彼の信頼をかちえる。
メイソンを案内人に、アンダーソン中佐(マイケル・ビーン)率いる海軍特殊部隊シールが海中から島に潜入するが、センサーに引っ掛かり、待ち伏せしていたハメルの部隊と銃撃戦となる。
シールは全滅し、生き残ったのはグッドスピードとメイソンの2人だけだった。
ハメルの部下の追撃を振り切りながら、彼らは一つまた一つとロケットを解体していくが、ついに敵の手に落ちる。メイソンはハメルと相対した時、彼の目にただのテロリストでない軍人の魂を見る。
独房から簡単に抜け出した2人は、残る2基のロケットを探し始めた。タイムリミットが迫り、大統領は人質を見殺しにしても島を焼き尽くす苦渋の決断を下す。
一方、メイソンと出会ったことで目覚めたハメルは、発射したロケットの目標をずらした。指揮官の翻意に怒った部下たちは反乱を起こし、ハメルは撃ち合って死ぬ。
グッドスピードが残る1基のロケットを解体したことを発煙筒で知らせるが、一瞬早くプラズマ兵器を搭載した戦闘機が爆撃した。
だが、建物には損傷はなく、グッドスピードも無事だった。FBI長官ウォマック(ジョン・スペンサー)に恩赦の意思がないことを知る彼は、メイソンを逃がした。
メイソンは代わりにある場所を教えるが、それはケネディ大統領暗殺事件の真犯人をはじめ、彼がかつて調査した数々の重大事件の証拠を収めた、マイクロ・フィルムの隠し場所だった。
マイケル・ベイが、アクション映画監督として知られるようになるきっかけになったアクション大作。
実戦経験のないグッドスピードとベテラン特殊部隊員メイソンがぶつかり合いながら協力して細菌兵器を積んだミサイルを使った陰謀に立ち向かう中で心通わせる男の友情、部下の死に報いるために暴挙に出ざるをえないハメルの苦悩と怒り、脱出も潜入も不可能なアルカトラズ島にメイソンやグッドスピードたち特殊部隊が潜入し期限までに細菌兵器を積んだミサイルを排除する作戦に挑むサスペンス、愛する者を守るために困難な任務に挑むグッドスピードとメイソンたちの家族愛、実戦経験のないグッドスピードが任務の中で戦士として成長していく成長物語、アルカトラズ島の様々なシチュエーションでのド派手なアクションの連続、緑の発煙筒が締めくくるラストまで息もつかせぬ傑作アクション映画。
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