MANU

ザ・ロックのMANUのレビュー・感想・評価

ザ・ロック(1996年製作の映画)
4.1
1996年(アメリカ)
原題:THE ROCK

監督:マイケル・ベイ
脚本:デヴィッド・ワイズバーグ、ダグラス・S・クック、マーク・ロスナー
音楽:ニック・グレニー=スミス、ハンス・ジマー

出演(日本語吹替):
ショーン・コネリー(若山弦蔵)
ニコラス・ケイジ(大塚明夫)
エド・ハリス(柴田秀勝)


製作:ドン・シンプソン、ジェリー・ブラッカイマー
製作総指揮:ショーン・コネリー、ウィリアム・スチュアート、ルイス・A・ストローラー

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ショーン・コネリーとニコラス・ケイジ競演の監獄アクション。

監獄アクションとは言っても、本作は蜂起してテロリストと化した海兵隊特殊部隊たちが占拠したアルカトラズに潜入するという趣旨なので、他の監獄ものとはちょっと違う様相を呈してます。

アクションスターのニコラスですが、本作ではFBIの化学兵器担当ということでやや大人しめ。
その分アルカトラズ脱獄に唯一成功した元MI6工作員兼元SAS大尉という設定のショーン・コネリーがアクション担当としていい味を出してます。

相手が強力な特殊部隊員ということで、潜入するニコラス演じるグッドスピードとコネリー演じるメイソンの警護役としてネイビーシールズが同行ものの早々に殲滅させられ、その後は最強戦闘員と非戦闘員の科学者という奇妙な組み合わせによるステルスアクションに。
戦闘員として優秀であるがゆえに諦めも早く、敵との交戦や作戦を放棄して逃走しようとするメイソンと、科学者であるがゆえに戦闘のポテンシャルが低いながらも強い正義感のもと任務の完遂を目指すグッドスピードの間に作戦を通じる中で少しずつ友情が生まれていき、
少しずつグッドスピードの信念に動かされて最終的にはグッドスピードのサポートをしつつ最終的に任務をきちんとやり遂げてしまうニコラスの男らしさにやられました。

1発で街を壊滅させるほどの威力を持つという化学兵器VXガスを積んだミサイルが発射されるかどうかという瀬戸際での戦闘はかなりの見応えあり。
いよいよミサイルを発射させてしまうも、市民の安全を守ると誓った軍人としての誇りから着弾寸前にミサイルの進路を変更してしまうテロリストのリーダー、ハメル准将の人間くささやその心理的せめぎ合いもすごく良かったです。
上述したようにアルカトラズにおける戦闘アクションも大変素晴らしいものでしたが、巨匠スピルバーグをして「車をカッコよく撮らせたら彼の右に出る者はいない」と言わしめたマイケル・ベイ監督による、アメリカ市街でのカーチェイスも中々の見ものでした。
全編通してテンポの良いアクションがふんだんに盛り込まれた良作でした。

敵を殲滅してミサイルも無事無力化しすべてが終わったところで、メイソンを解放するという約束をFBI長官は反故にすると読んだグッドスピードがこっそりメイソンを逃がし、長官には「メイソンは死亡した」と虚偽の報告をする優しさを見せたラストもGOOD。
上述したメイソンの心変わりのくだり然り、最後の最後でテロリストに染まり切れない准将のくだりしかり、絶妙に人間心理を描いた素敵な脚本だったと思います。

監獄ものの中で相当上位に食い込むお気に入りの作品でした。
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