せーや

ロスト・アイズのせーやのレビュー・感想・評価

ロスト・アイズ(2010年製作の映画)
3.4
「君の瞳には宇宙が見える」
いやあ、言ってみたいよ。
一生、言えないセリフよ。

盲目の女性サラが
首吊り死体となって発見される。
警察は自殺だと判定するが
サラの双子の妹フリアは姉の死に疑問を抱く。

スペイン映画にとって
ホラー映画とは何なのか?

最近のスペインでは
多くの衝撃的な名作が生まれています。
「パンズ・ラビリンス」
「私が、生きる肌」
「永遠のこどもたち」
「ロスト・ボディ」

これらは全てホラー要素を含んでいます。
そして観る者の心に、深く重い傷を残していきます。
美しく、深く、悲しく、恐ろしく、えげつない。
これがスペインのホラーなのです。

スペイン人にとってホラーとは
「悲しみ」なのです。

主人公は 姉を亡くした妹。
彼女は姉と同じく視力に問題を抱え
次第に視力を失う恐怖に怯えている。

犯人は全く見つからない。
「透明人間」なのだ。

なんともSFチックな展開だし
実際、犯人の描き方にも
無理があるような気がするんだけど
そこを除けば、とても良いものだと。

「君の瞳には、宇宙が見える。」
「目を閉じてごらん。何が見える?」

これは、愛を求めた人間の
悲しきドラマでもあるのです。
人を愛するとはどういうことか。
人に愛されるとはどういうことか。

二転三転するストーリー。
ギレルモによるグロテスク演出。
ビックリ系の演出(そりゃホラーだからね)。
そして、悲しいエンディング。

終わったあとに
言い知れぬ喪失感と悲しみが残る。
それがスペイン映画なのです。

美しくて、悲しい。
だからあたしゃスペイン映画が好きなのね。