LEONkei

シェナンドー河のLEONkeiのレビュー・感想・評価

シェナンドー河(1965年製作の映画)
3.5
アメリカ南北戦争の真っ只中、南側でもなければ北側でもない、両軍に板挟みとなってもアンダーソン一家の父親の思いは只ひとつ。

バージニア州は自然溢れる広大なシェナンドー河の畔に、妻を亡くした父と7人の子供達らと農場を営む家族の物語。

キャサリン・ロスもいいが、ローズマリー・フォーサイスも負けず劣らず美しい。

戦争にはまったく興味もなければ無関心、厳格な父は子供達を立派に育てる事が亡き妻への慰めか。

例えどんな正当な理由があろうとも人が人を殺す事は、アメリカの〝良心〟が許さない…。



と、言うわけには現実はいかず世の中そんなに甘くはなかった。

正に〝理想〟はブルーリッジ山脈が崩れるかのように無意味と化す。

山は遠くから眺めれば雄大で美しくも感じるが、実際登ってみれば想像以上に険しく過酷なもの。

愛する者が奪われたならば奪い返し、守らなくていけないモノは守り抜く。

価値観と価値観のぶつかり合いは、どちらも正当性を主張し避けたくても避けられない。

残念ながら人間に感情がある限り、話し合いでは解決できない事も有る。

ましてや私利私欲だけの傲慢な不成者も居る。情け無用の欲望だけの為に貪る獣も居る。

今も昔も…。



愛する者の為に生きる事に気づけば、自分がこの世に存在する意義と価値を知るだろう。

愛する者がいない?

そんな事は心配する必要はない。
人生は愛する者を見つける旅でも有り、例え今居ないとしても必ず何処に存在している。

善悪や最低限の道徳心の価値判断を伝えられるのは、学校や国ではなく親でしかない。

胸を張って〝良心〟に従って生きていると思えるなら、ご健在の内に親に感謝の意を伝えよう..★,
LEONkei

LEONkei