いつの世も男女のいざこざは同じだし、俯瞰的に捉えると笑えたりもする。
ただ当事者だったら冷静さを欠いて同じような事するかもしれないなあ、、、
倦怠期の夫婦と相思相愛の夫婦が入り乱れ浮気をテーマに繰り広げる結婚悲喜劇。
想像力を試されるサイレント作品とは言え、とてもわかり易く、表情の変化はもとより動きの細部に至るまで丁寧な演技で描かれていた。そして、とりわけ小物使いが秀逸だった。
あ~もどかしい!些細な誤解が更なる誤解を呼んでしまうのは愛するが余り、当然の感情なんだろうなあ。
邦題『結婚哲学』を意識して観ると、うんと軽めで、うんと現実的で身近な題材だった。
何れにしろ『結婚』とは哲学を語るほど崇高とも思えない単なる日常のようにも、また全くその逆にも思える。とは言え最も人間力を試される所業の場に違いないのかも知れない。
観終えてみるとラストのエピソードから見えてくる、夫婦(男女)における知らないことが幸せの論理。更に女性目線で観ると男性の技量という意味に於いても、下手に深追いしない楽天的思考に於いても、実は哲学的含みを持たせてるのかなあ、、、
と、勝手に解釈した。