フライ

最後の忠臣蔵のフライのレビュー・感想・評価

最後の忠臣蔵(2010年製作の映画)
4.3
昔見たNHKの同作ドラマが頭に有りスルーしていた作品だが、まさかここまでドラマティックに仕上げられていたとは知らず、又抜群のキャスティングと素晴らしい演技に感動し過ぎて中盤から号泣の連続だった。

赤穂浪士四十七士の討入後、唯一の生き残りである佐藤浩市が演じる寺坂吉右衛門と、討入に参加する予定だったが前日逃亡した役所広司が演じる瀬尾孫左衛門と言う実在した人物をフィクションとして作成されたストーリーだが、あまりにも素晴らしい内容は、人として心意気はこうありたいと思える残酷で素敵な時代劇。

本作の面白さは、赤穂事件という日本史実の代表的なドラマティックな実話があった事が大前提であり、尚且つ色々と素晴らしく脚色された忠臣蔵を観てきた事も重なり、単なるフィクションとしては受け止められない感動と気概を感じた。

数々の名優が赤穂浪士達の無念と感動を覚えるドラマを見てきたからこそ、本作に余計感情移入させられる素晴らしさがあったが、役所広司や佐藤浩市の演技は圧巻な上、片岡仁左衛門や田中邦衛、伊武雅刀などの大物キャストが適材適所で脇を固めているのが、尚更作品を重厚且つ真摯な作品として見せてくれた。そこに桜庭みなみと言う透明感のある演技が心に沁みて、尚更本作から感じる日本武士や古き良き日本の心意気を強く感じさせてくれた。

自分の理想とする心の底にある真の正義や優しさ、作品から感じる切なさと感動で号泣しっぱなしだったが、もっと早く見ておけば良かったと凄く後悔させられる程素晴らしいヒューマンドラマだった。

時代劇好きで、且つヒューマンドラマ好きならオススメだが、どちらか嫌いだと厳しいかも。
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