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ミッドナイト・ランのBGのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・ラン(1988年製作の映画)
4.4
ロードムービーが好きだ。物語の形としてオーソドックスなスタイルなんだけど、物理的なゴール地点に辿り着いた時、主人公が物語的成長を遂げることに映画って面白いなあって思ってしまう。

80年代後半らしい、等身大のポンコツおやじ達による、お気楽ゆるゆる逃走劇。バディものアクションコメディです!
名優ロバート・デ・ニーロ主演、「ビバリーヒルズコップ」や「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」のマーティン・ブレスト監督作品。

マフィアから大金を横領した会計士デューク。保釈中に行方を眩ました彼を賞金稼ぎである元刑事ジャックが捕まえ、期日までに裁判所に出頭させようとする。そこに、諸々証言されると困るので会計士を消そうとするマフィア、マフィアの悪事を証言させようとするFBI、賞金を横取りしようとする賞金稼ぎ仲間が入り乱れての追っかけっこ!

こう書くと何か鬼気迫る追撃戦を想像しちゃうけど、んなことなくて。出てくるオッサン達が、まあ絶妙なポンコツ具合でしてね(笑)
おバカまで行かないけど、愛らしいポンコツ加減。わちゃわちゃしてますw

とまあ、ゆるゆるなんですけど、主人公2人組、マフィア、FBI、賞金稼ぎの四つ巴がなかなかに面白いのです!敵対するだけでなく、時に協力したり、結果的に助けたり、だまくらかしたり。おまけに、主人公2人も基本的に反発しあってるから、もうグダクダw
とまあ、それだけでも充分に楽しいのでね!名作!これね!本当、そうらしいよ!オススメ、ありがとでした!


ただね、もしそれだけなら126分は長いと思う訳。長過ぎ。でも本作の本質は違うところにあって、それはロードムービーであるところの物語的成長にあるんだと思うのよ。俺はね。

で、すっごい書きにくくてさ。先に謝っておくんだけど、これ、男の友情かな?そう書いてる皆さんが多いんだけど、俺は違うと思ったのさ。ゴメンだけど。

ザックリ言えばそうなんだけど、これは「本当に価値あるものは何か」って話だと思ったね。で、あるラストを迎える訳だけど、それは友"情"っていう情によるものじゃなくて、その価値観を貫くための決断であり、そこに志を共有できたことへの同志としての行動だったと思うのだ。だからこそ、「来世でまた会おう」なのだ。今、結ばれた友情ではない、そう思ったのだ。

本作では、常に"金"というものが価値として提示される。報償だったり、代償だったり、何かの証だったり。様々な金銭が登場する中で、最も価値があったもの。それは、ジャックが決して受け取れなかった180ドルだったことだけは間違いない。

追記:
思い付いたから書いとこ。ジャックとデュークの関係に一番近いと思ったのが、ルパンと銭形かな。違うかなw
「3時10分、決断の時」とか?
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