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幸せへのキセキのasa洋画のネタバレレビュー・内容・結末

幸せへのキセキ(2011年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

大切なものを亡くしてから人は
足りない風景を眺めながら
もう一度希望を持って生きられるのか。

動物園再建と並行して
母を亡くしてからの父子の
再構築を描いた作品です。

ディランの愚行もサイコパスな絵も
彼の苦しみを表している様にしか
見えなくてもどかしかった。

父親に責め立てられてやっと出せた
「僕のことも助けてよ!」という
心からの叫びに胸を締め付けられて
涙が止まりませんでした。

生まれた年数一緒に生きて
いつもそばにいるはずなのに
わかりあえない親子という切ない関係。

ベンジャミンも本当はあんな風に
思っているわけじゃない。
自分自身の最愛の妻を亡くした
苦しみ わかってあげたいのに
息子を受け入れる余裕のなさ 焦り
全ての悪循環から出た言葉だと思う。
(もしかしたら息子の本音を
引き出すためにけしかけているのか
とも思いましたが どうなのでしょう…)

そこからのディランの去り際の一言で
流れが変わりチャンスとばかりに
閉められたドアを叩く父で
気持ちがほぐれましたが(笑)

翌日命尽きようとしているスパーを
見つめるベンジャミンの元に
やってきたディラン。
この時間で2人は実質
和解する事が出来ました。

ディランはまだおかしな絵を描いては
いるけれど その中にスパーと
思われる虎の絵をベンジャミンが
見つけます。

ある日動物園の開園が近付き
製作されたポスターを絵描きの目から
見てどうか確認して欲しいと父から
息子へ判断を煽ります。

そこには動物園の開園日時と一緒に
ディランが描いたスパーが
大きく印刷されていました。

「パパはお前が大好きだ」
の言葉に目に涙を浮かべながら
平然を装い受け答えするディラン。

この行動と言葉はパパが感じ取った
以上に息子の心に強く響いていると思う。

泣きじゃくって抱き合って和解
とかではなく少し距離感を保った
父子ながらではの愛情の表現に
現実味や共感が感じられ
更に気持ちを盛り上げてくれました。

14歳ってなんでも自分で出来るけど
まだ親の愛情を求める時期であり
そこに恥ずかしさもあって
反抗的な態度を取ってしまったり
難しい時期ですよね。

終始ディラン目線で作品を
鑑賞していました。

この動物園の敷地で育った
リリーもまた可愛い。
素直でよく笑う素敵な女の子。

カフェの窓のメッセージを
見つけたディランが
“20秒の勇気”で叶える恋。

告白の言葉選びの歯がゆささえ
愛しく感じる程になかなか粋な
もので和みました。青春ですね。

亡くなった奥さんを大切に想う
ベンジャミンが素敵だったので
ケリーとのキスはいらなかったな と
その部分で-0.2評価にしました。

それ以外ではマットデイモンも
文句なくかっこよく
子役の女の子もキュートで
言う事なしのものだったと思います。

また機会があれば観たい作品です( ´◡` )
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