【イメージのバンドデシネ】
ベルリン国際映画祭コンペティションに選出されたエレーヌ・カテト&ブルーノ・フォルザーニ新作。『デス・バレット』の監督だけあって今回も過剰積載な作品であった。
本作はバンドデシネ的な空気感の中でスパイアクションが断片的に紡がれていく内容でストーリーというよりかはクリシェのイメージをつるべ打ちにしていく。その手数はやたらと多く、ダイヤモンドアイの指輪、銃弾をヒールのピンにし武器とする様、銃不具合からの鈍器撲殺などといった画になるスペクタクルで覆い尽くされる。
この過剰さは好みが極端に分かれる。『デス・バレット』が好きならハマるだろうし、大嫌いなら本作も必然と苦になる。
アート系映画ながら、サクッと楽しめた一本といった感じだろう。